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ナスの栽培・育て方を徹底解説!更新剪定や支柱・害虫・病気対策など失敗しないナスの栽培方法ついて詳しく説明

ナスの栽培・育て方を徹底解説!更新剪定や支柱・害虫・病気対策など失敗しないナスの栽培方法ついて詳しく説明


ナスを上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説



|目次

■ナスはどんな野菜?
  ・ナスの種類
  ・ナスの生育条件
  ・ナスの旬の時期
■ナスの栽培の手順
  ・プランターでのナスの栽培に必要なもの
  ・ナスの苗を準備する
  ・土作り
  ・ナスの植え付けの時期は?
  ・苗の植え付け
  ・プランターでの支柱の立て方
  ・わき芽摘みについて
  ・追肥
  ・更新剪定と側枝1果どり
  ・ナスの収穫時期と収穫方法は?
■ナスの栽培で気を付けるべき生長不良と主な病気について
  ・石ナス
  ・つやなし果
  ・青枯病(あおがれびょう)
  ・うどんこ病
  ・ナスの病気の予防と対策について
■ナスの栽培で重要な害虫対策について
  ・アブラムシ類
  ・チャノホコリダニ
  ・テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウ)
  ・カメムシ
  ・対処法
■連作障害とコンパニオンプランツについて
■ナスの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
■まとめ
ナス

ナスは栄養価が高く普段の料理にもよく使われる野菜ですが、実は初心者でも簡単に家庭菜園で育てられることをご存じですか?

庭やベランダで栽培でき、失敗するリスクも低いため、初心者でも育てやすい野菜です。
ナスの苗を5月上旬頃に植えれば、夏から秋にかけてみずみずしいナスを収穫することができます。
この記事では、初心者でもできるプランターでのナスの栽培について、詳しく解説していきます。

ナスはどんな野菜?


ナスはナス科ナス属の野菜で、インド東部が原産と言われています。
ナスの皮の紫色には、老化対策に役立つ「ナスニン」が含まれており、抗酸化作用があります。
他にもカリウムや、食物繊維、葉酸など様々な栄養素をバランス良く含んでいます。
水分が多く低カロリーのため、健康への効果も期待される野菜です。

・ナスの種類


ナスの品種は日本国内だけでも200種類はあるといわれています。
長いものから丸いものまで様々です。

・千両ナス
一般的によく見かけるナスで、皮の色が黒紫色、そして光沢感のあるツヤが特徴です。

・丸ナス
その名の通り形が丸いタイプのナスで、肉質はよくしまり煮ても焼いてもしっかりとした食感があるのが特徴です。

・水ナス
丸みを帯びていて、水分が多く含まれているのが特徴です。

・米ナス
アメリカ産のブラックビューティというナスを、日本で品種改良したものです。
ヘタが緑色で、大型なのが特徴です。

・白ナス
皮が白いナスで、果皮を紫色にするアントシアニン系の「ナスニン」が含まれていません。

・ナスの生育条件


ナスは日当たりが強くて暖かい気温の環境を好みます。生育適温は20〜30℃です。

・ナスの旬の時期


お住まいの地域や品種によって異なりますが、一般的にナスの旬は2回あります。
夏に収穫したナスは、7月〜8月頃が旬になります。
また、晩夏から9月〜10月に収穫したナスは「秋ナス」と呼ばれます。


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ナスの栽培の手順


ナスは高温性作物で、乾燥に弱い野菜です。
苗を準備して、日当たりと風通しの良いところで水をやりましょう。
ナスは畑とプランター、どちらでも育てることが可能です。
ここでは家庭菜園で始めやすいプランターでの栽培方法について解説します。

・プランターでのナスの栽培に必要なもの


家庭菜園のプランターでナスを育てる場合、下記の準備が必要です。

・ナスの苗(種苗店やホームセンターで購入可能)
・有機野菜培養土
・プランター(深さ30cm以上)
・鉢底石
・肥料
・支柱(長さ150cmほど)
・麻ひも

プランター

・ナスの苗を準備する


ナスのプランター栽培は、最初から苗を購入して栽培するほうが成功しやすいです。
ナスの苗は、植え付け時期のひと月前ぐらい(4月頃)に、園芸店やホームセンター等で販売が開始されます。
苗選びでナスの出来栄えが変わるため、苗の選び方を押さえておきましょう。

ポイント1
耐病性のある品種を選びましょう。おすすめは「接木苗」です。
病気や連作障害等に強い傾向があります。

ポイント2
1番花(または蕾)が開きかけていて、丈夫な茎を選んでください。
葉の色が濃い緑色で、厚みのあるものが健康な証拠です。

ポイント3
本葉が7〜9枚ほどで、一番下に双葉が残っている苗が良い状態です。
葉を確認する際は、葉の裏に病害虫がいないかも忘れずにチェックしてください。

ナスの苗

・土作り


ナスは根を深く伸ばして生長するので、充分な深さのプランターが必要です。
日当たりと風通しの良い場所を選んで、プランターを置きましょう。

ナスのプランター栽培において、最も手軽なのは市販の有機野菜培養土を使うことです。
有機野菜培養土は、化学肥料を使用せず、土と有機肥料が適切に配合されているので、プランター栽培に適しています。
また、土の水はけをよくするために、鉢底石という軽石を土の下に敷き詰めておきます。

・ナスの植え付けの時期は?


お住まいの地域や品種によって適確な植え付け時期は異なります。
目安は、4月下旬〜5月中旬頃が植え付け時期で、7月頃〜10月初旬頃が収穫時期です。

植え付けが終わったら、夏は1日2回(朝夕)を目安に水をやりましょう。
ナスは水やりや肥料が少ないと、生長不良になる場合があります。
表面の土が乾燥する前に水やりをしてください。

・苗の植え付け


苗の植えつけ

・プランターのサイズ
直径30㎝×深さ30㎝くらいのサイズが、ナス(1株)の生育に適しています。
これ以下のサイズは生育が難しく、失敗の原因になりますので、大きなプランターで育てましょう。

・土の準備
排水性を良くするために、プランターの底に鉢底石を敷きます。
量はプランターの底が見えなくなるくらいを目安にしてください。

次に、培養土をプランターの半分程度までいれます。
培養土に水を与えて水分を吸収させ、残りの培養土をプランターの上から5㎝ぐらいまで入れます。そしてまた水を与えます。

・苗の植え付け
スコップで苗より浅めの植穴を作り、水を与えます。
苗は根鉢を崩さないようにして、周りの土を寄せるように植え付けてください。
植え付けたら、土の表面を軽く押さえて、安定させましょう。

・誘引
茎が折れたり倒れたりすることを防ぐために、箸か小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。
きつく縛って苗を痛めつけないように、八の字にして緩めに括り付けましょう。

・水やり
最後にまた水を充分に与えてください。
植えたての苗は土に根付くのに時間がかかります。
土が乾燥すると、うまく根づかなくなるので、植え付けから1週間程度の間は土が乾燥しないように注意します。
(水をあげる際は、プランターの底穴から水が滴る程度に、たっぷりと与えてください。)

・プランターでの支柱の立て方


支柱を立てて茎を支えることで、ナスが上にグングンと伸びて生長しやすくなります。
植え付け時に支柱を立て、生長を見ながら支柱に麻紐でくくりつけて誘引していきましょう。

ナス(ミニナス)の支柱を立てるときに必要な道具は、以下の二つです。

①麻紐またはビニール紐
②支柱にする棒(長さ約150cm、太さ約2cm)

・プランター栽培での支柱の立て方は?
1番目の花の実ができてきたり、枝が40〜50cmぐらいに伸びたら、支柱を立てましょう。
立て方は、3本の支柱を使う「3本仕立て」がおすすめです。
主枝と側枝2本の合計3本の枝を交差させて育ててください。

苗を中心にして、三角形の頂点となる方向に3本の支柱を立てましょう。
枝に沿って、地際から20㎝程度の高さに交差し、しっかりと固定します。

ナスは、茎が生長すれば太くなり、実がなり始めると重くなる為、枝だけでは支えきれなくなります。
風倒防止対策のためにも、麻ひもで枝を支柱に8の字に結んでいきます。
少しゆとりを持たせてくくりつけるのがポイントです。

下記の動画は畑の栽培になりますが、支柱の立て方の参考になります。
夏野菜の大定番ナス栽培の重要ポイント!6月実施したい支柱立て方のコツやわき芽・誘引のポイントを徹底解説!【家庭菜園】


・わき芽摘みについて


わき芽

「わき芽摘み」とは、間引きのような作業で、苗が生長して複数の芽が出てきたときに、優良なものを選抜して残し、残りの芽を抜きとることです。

真上に伸びる主枝と横の枝の間に生えてくる芽のことを「わき芽」といいます。
わき芽を放置しておくと、そのまま生長して伸びていき、主枝のように太くなって養分が分散されてしまいます。

ナスは後々、三本仕立てにして育てていきます。
ナスの下部に生えてきたわき芽は摘み取っておきましょう。
まだ小さいうちは手でそっと摘み取ることができます。

下記の動画も参考になります。
家庭菜園や農園でナス栽培6月前半の大切な作業4選!脇芽摘み・仕立て方法などナスの育て方を徹底解説!【農園ライフ】/ June How to grow eggplant.


・追肥


追肥は、ナスの生長する過程で必要な作業です。
適切な量を適切なタイミングで追肥することで、栄養不足を防げます。

苗の植え付け後から1か月経ったら、最初の追肥を行います。
1株あたりに肥料をひと握り(約20〜30g)株元に円を描くようにして追肥します。

1回目の追肥以降は、2〜3週間に1度の定期的な頻度でおこなってください。
2回目は株元から離れた場所に、1株あたり約20〜30gの肥料を土と混ぜ合わせ、株間に耕して土寄せしましょう。

・更新剪定と側枝1果どり


・更新剪定(切り戻し)
「更新剪定(切り戻し)」とは、主枝を切って株を若返らせる作業のことです。
更新剪定をすることで、風通しが良くなり果皮の色ツヤもよくなります。病気や害虫を減らす効果もあります。また、長く収穫できるようになり、収穫量も増えます。
目安として、7月中旬〜8月上旬におこないましょう。

しかし、更新剪定は失敗のリスクも高いので、注意が必要です。
切りすぎて株が弱り、枝の再生が間に合わなくなり、秋の収穫に失敗する恐れもあるので気をつけてください。
プランターの数が少なかったり、栽培スペースが充分にない場合は、ナスの更新剪定は避けた方が無難です。
収穫は8月下旬までに済ませてしまいましょう。

・側枝の切り戻し(側枝1果どり)
「側枝の切り戻し(側枝1果どり)」とは、わき芽にできた実の収穫と切り戻しを繰り返す作業のことです。

生育の良い側枝は、収穫のタイミングごとに切り戻しをしていきます。
側枝の切り戻しをこまめに行なうことで、全体的に繁茂にはならないため、更新剪定の必要がなくなります。

下記は畑の栽培になりますが、更新剪定と側枝1果どりについて大変わかりやすく紹介されています。ぜひご覧ください。
夏野菜栽培で絶対マスターしたい!秋まで収穫を楽しむ!ナスの更新剪定と側枝1果どりの方法!どうやる?を徹底解説【家庭菜園】【脇芽】【誘引】


・ナスの収穫時期と収穫方法は?


ナスの品種によって、収穫の適期はそれぞれ異なります。
一般的なナスは長さ12cm〜15cmぐらいまで生長したら、収穫の目安です。
長ナスの場合は35〜40cmぐらいになったら収穫しましょう。

第1果は大きくせずに、早めに収穫してください。
収穫方法はヘタのすぐ上の茎をはさみで切ります。

収穫が遅れると、皮が固くなってみずみずしさがなくなるため、実が若いうちに収穫しましょう。
たっぷりと太陽を浴びたナスは夜中に栄養分を蓄えているので、早朝に収穫するのが最適です。


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ナスの栽培で気を付けるべき生長不良と主な病気について


ナスを栽培する上での生長不良と主な病気について注意するべきポイントを紹介します。

・石ナス


果皮が固くて、ツヤがなく、石のような状態になってしまったナスのことを指します。
受粉不良が主な原因で、実の生長が止まってしまいます。
極端な低温や高温にならないように、温度管理や水切れに注意しましょう。

・つやなし果


果皮に光沢がなく、硬い状態となってしまったナスです。
水分不足が原因で、果実が吸水量以上の水分を蒸発してしまうため、高温乾燥期に発生しやすいです。乾燥状態と高温を避けましょう。

・青枯病(あおがれびょう)


株が緑色のまま急に萎れて枯れてしまう病気です。
根に付いた傷から菌が侵入し、土の水分が過剰になると発生しやすくなります。発見次第、株ごと処分してください。

・うどんこ病


葉にうどんの粉のような白っぽい粉のカビが発生する病気です。
気温が高く乾燥気味なところで発生しやすいため、日当たりや風通しを良くすることで防げます。カビが見られた葉はちぎって対処しましょう。

・ナスの病気の予防と対策について


ナスの病気は雨による過湿や乾燥などの影響が主な原因となります。
土壌環境などに注意しながら管理をすれば、多くの病気は予防できます。
なるべく初期段階で病気を見つけられるよう、日頃から状態を確認し、発病部分の葉や株は即座に抜き取ることで被害拡大を防ぎましょう。

ナスの栽培で重要な害虫対策について


ナスを栽培する上で発生しやすい害虫の予防・対策を紹介します。

・アブラムシ類


養分を吸汁するアブラムシの被害を受けると、生長が止まり、大きな影響を受けます。
見つけたら粘着テープで葉を拭き取って駆除しましょう。

・チャノホコリダニ


チャノホコリダニの被害を受けると、果実のヘタ部分が褐色に変色し、やがて色素は全て抜けて白くなり枯死します。
水に弱いので、雨が当たりやすい環境や散水することで予防ができます。
駆除も同様に、水で流すだけで大丈夫です。

・テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウ)


黒い斑点が普通のてんとう虫よりも多いのが特徴の害虫で、葉や果実を食害することで、生長が止まります。卵や幼虫の段階で駆除をしておくことで、被害の拡大が防げます。
落ち葉を取り除くなど、虫が潜む場所を排除するのが有効です。

・カメムシ


カメムシは亀の形をした昆虫で、葉や若い果実を食害します。ナスの実が吸汁されると中身がスポンジ状態になります。また、キツイ臭いも特徴的です。
粘着テープなどで駆除しましょう。
防虫ネットや雑草処理などをすることで、カメムシが侵入して越冬することを防ぐことができます。

・対処法


多くの害虫は、水や粘着剤で処理することができます。
取れる予防策はとりつつ、被害にあった際は被害の拡大を防ぐためにも、発見次第すぐさま対処しましょう。


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連作障害とコンパニオンプランツについて


同じ科の野菜を毎年、同じ場所で栽培し続けることで、生育不良や病気が発生してしまう現象を連作障害といいます。
ナスはナス科の野菜なので、同じナス科野菜(ジャガイモやトマト、ピーマン等)を栽培した場所では続けて栽培しない方が良いです。

プランターであれば、土を変えたり、同じ「科」の野菜は近くで栽培しないなどの対応をしてください。

反対に、一緒に植えることで、害虫が寄り付かない等、お互いにとって良い影響をもたらす植物のことをコンパニオンプランツといい、ナスのコンパニオンプランツとして挙げられる野菜はニラです。

ナスとニラを傍で栽培すると、土壌病害を予防する効果が期待できます。
また、根が深く伸びるナス科の野菜は、同じく根が深く伸びるニラと共生しやすいといった特徴があります。

ニラの苗

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まとめ


本記事ではナスを家庭で栽培するために必要な基礎知識から収穫のコツなどを紹介しました。

ナスの種類や基本的な情報を知ることはもちろん、起こりうる病気や害虫などの予防・対策方法を知っておけば、家庭菜園でも美味しいナスを育てることができます。

家庭で育てる際は、プランターなど必要な道具を用意する必要がありますが、家に十分なスペースがない、道具を揃えるのが難しい等お困りの方は、シェア畑を利用してみるのもおすすめです。

ぜひ自分の手で育てたナスを使って料理を楽しんでください。


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