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ヤスノリ さん(ライター)

食べきれないほど採れて助かる|ヤスノリさんのシェア畑 vol. 5

食べきれないほど採れて助かる|ヤスノリさんのシェア畑 vol. 5
お散歩をこよなく愛するライターで、シェア畑ユーザーでもあるヤスノリさんに、シェア畑での野菜づくりの様子をおすそ分けしていただく「ヤスノリさんのシェア畑」。
5回目となる今回は、シェア畑をはじめてそろそろ1年…、夏野菜の思い出や今が旬の春野菜の魅力をお伝えします。


去年の5月にシェア畑の門を叩いて土の契り(畝を3つ借りること)を交わし、あわてて夏野菜を植え、秋冬野菜を堪能し、いま春野菜の収穫期を迎えている。これで1年の作業を一通りやったことになる。もしこれが会社のOJTだったらちょっと怖い感じの先輩に「じゃあ次は自分でやってみて、わたしは何も言わないから」なんて言われるタイミングだと思う。急にこっわ。えっと、土作りからだっけ……スコップだよね? 道具を手に取ってチラッと先輩を見る。えっ、違うの? なんか言ってよ。しかしここはシェア畑、やさしい空間なので「あのう……」なんて言って菜園スタッフさんに何度でも聞けちゃう。あと最近知ったのだけど会員サイトに「講習会動画」というコンテンツがあって、農における所作の正解をいつでも閲覧できるのだった。やったー! 志が低くても農が完全成立するー!

畝づくり
▲我々の味方、動画コンテンツ

志が低くても大丈夫なのってすごく大事で、農だけでなくて何でもそうだと思うけど、趣味への熱量というのはずっと高いわけではないし、図らずも本業が忙しくなって相対的に優先順位が下がることだってある。それで良く分からなくなってそのまま行きづらくなりフェードアウト、というパターンを僕は他の習いごとでよくやらかす。だから、後から自分のペースでリカバリできる仕組みは助かる。

助かるといえば、農ってば、食べ物として普通に助かる。これは農をする前には全く想定していなかった。猫の額ほどの畑からほんの少しの野菜を収穫してちょっとずつ家族で食べて、まあ……あれよ……体験よね、体験がプライスレスよね! アハハ! みたいな、そんな感じを想像していたんだけど、実際には、農、めちゃくちゃ採れる。収穫物が我が家の食卓にぐいぐい食い込んでくる。毎日食べても無くならない、物理法則が狂っている感じの野菜がいくつかあることを知った。例えばキュウリ、キュウリは品種によっては1株から100本以上採れるらしい。1から100っておかしい。ふつう1から1でしょ。大根は1株から1本。キャベツも1玉。正常だ。安心する。キュウリ100て。桁を間違えて誤発注した感じがある。こういう感じの、良く言えば助かる、悪く言えばおかしい野菜があることを知った。しかしキュウリは採れすぎる。

きゅうりの漬物
▲そこで大量消費メニューに行き着く

「キュウリ」「大量消費」というワードで初めて検索した。そうすると大抵キュウリの漬物のレシピが出てくる。材料欄に「キュウリ:1kg」とか頼もしいことが書いてある。消費量でレシピを選ぶなんて初めて。しかもこれ、材料が生姜と醤油と酢と砂糖だけだからどう転んでも旨い。冷凍すればかなり持つので、ごはんのお供にはしばらく事欠かない。
ところでキュウリは大きくなってしまうのが早い。菜園スタッフさんに聞いたんだけど、畑に来たときと帰るときで大きさが違うのだそうだ。それで、放っておくとズッキーニかな? ってくらい肥大化する。

おばけキュウリ
▲葉っぱに隠れていてこんなになるまで見逃されていたおばけキュウリ

ズッキーニみたいだからラタトゥイユにしたらどうだろうと思って作ったら旨かったので何の問題もなかった。改善点としては、おばけキュウリは種もおばけなので料理の前に全部取り除いたほうがいいと思いました。

キュウリのラタトゥイユ
▲これはズッキーニだと言い聞かせてズッキーニのレシピで作った

オクラも無限にできるタイプの野菜で、去年の夏は毎日茹でた。子供たちもオクラが好きなので、生産量と消費量がだいたい釣り合っていてとても良かった。ただ、ちょっとでも収穫を怠けると大きくなって固くなってしまうのには少し困った。3日ほど畑をサボると武器屋に卸せそうな感じのオクラが大量に収穫できる。怠惰が形となって具現化するのが怖い。

おくら
▲摘果ハサミより殺傷能力の高そうなオクラ(右の3本)

ただ、そういうオクラは素揚げにすると良いと友達から聞いたので無駄にすることはなかった。だいたいのものは、どうにか食べられる。

おくらの素揚げ
▲もちろん若いやつのほうが旨いけど、これはこれでコリコリして面白い

ところで、オクラの最後は農初心者にとって完全に想定外だった。背丈が伸びるたびに花や実をつける位置もだんだん高くなって、そのうち文字通り手が届かなくなる。

背の高いオクラ
▲そんなところに花咲かれましても

2メートルくらいになったときに菜園スタッフさんから「もう切ったらどうでしょう、秋冬野菜もそろそろ植えないとですし」と言われて、その日が突然の別れとなった。未だにちょっと慣れないのはこういう、放っておけばまだまだ生きて無限に食べさせてくれそうな野菜との別れで、最後はこちらの判断で片付けることになる。農とはそういうものと、一応の納得をしている。

三月、この時期の野菜で助かるものといえば、やはり茎ブロッコリーとナバナ。
茎ブロッコリーは、一つの株から次々にわき芽のブロッコリーが出来てくると聞いていたので楽しみにしていた。これについては前にも書いたのだけど、とてもクタッとした弱々しい苗を選んだにもかかわらず立派に成長し、いまではほぼ毎日ブロッコリーを提供してくれている。2月頃から我が家は本当にほぼ毎日ブロッコリーを食べている。

茎ブロッコリー
▲我が家の健康はこれに守られている

最近は暖かくなったからか、少し放っておくとすぐ花が咲いてしまう。それもあって、料理する前などにカジュアルにブロッコリーを摘みに来ている。野菜源としてすごく丁度良い。来年も絶対に植える。というか茎ブロッコリーはお守り感覚で全国民植えたら良いのではないでしょうか。

ナバナ。僕はナバナがとても好きで、毎年この時期店頭に並ぶのを楽しみにしている。でも、何故か昨年植えたナバナの株と好物のナバナが結びついておらず、今年もうっかりスーパーで買ってしまった。畑にあるのに。

のらぼう菜
▲畑にあったわ

2週間前くらいにナバナの蕾を見て「僕の好物が畑にある!」と突然理解が追いついた。えっ、あれが、これかあ。なるほどなるほど。自分で育てておいてなるほどじゃねえよって思うんだけど、それからはガンガン収穫してせっせと茹でている。

のらぼう菜のお浸し
▲最高に旨いやつ

ナバナのお浸しにはナバナのゆで汁を使う。ゆで汁に風味があるので出汁として使えるのだという。なんというか、ナバナ汁をナバナに戻すだけの妙な料理だなといつも思う。これにしょうゆとみりんを入れるだけで素晴らしい春の味覚になるのだから、料理は分からない。

いずれにせよ、野菜のいくつかは、1株でも食べきれないほど採れて、助かる。今よりお金のなかった学生時代に知りたかった情報のひとつ。

ヤスノリ:
散歩が好きなので散歩のWebマガジンを主宰しています。ほかには散歩カードゲームや散歩の同人誌を作っていますが、ひょんなことから野菜も作りはじめました。農がいま一番面白いです。
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